他害行動

他害への対応③ 振り返り

我が家の次男ミッキーは、言葉の遅れと多動があり、3歳から療育に通い、5歳で自閉症スペクトラムとADHDの診断がつきました。

今、小学校1年生で特別支援学級へ通っています。

ミッキーについて、一番困っているのが、やはり他害行動です。気に入らないことがあると暴れたり、人や物に当たってしまいます。物心ついた頃から他害をなくしたいと取り組み続け・・・今も頻度は減りましたが、なかなかゼロになりません。

それでも、以前は訳もわからずめちゃくちゃやっていたのが、最近はいけないとわかって自分で手を止めようとしたり、やってしまった後に「こうすればよかった」と反省する姿が見られるようになりました。

ここにくるまでが・・・長かった。

他害などの問題行動を修正する時に、この「振り返り」ができるかどうかは大きなポイントです。発達障害があるとワーキングメモリーと呼ばれる記憶が弱い子供が多く、また「線でつながっておらず点で存在している」と表現されるように、記憶の仕方が私達と異なっているようで、何度言われても覚えていられず、物事を忘れてしまいます。

ミッキーも、「今日は何したの?」などの質問に答えられるようになってきたのは、ようやく幼稚園の年長の頃で、それまでは聞いても「???」という感じでポカンとしていました。だんだん楽しかったことや印象的なことを話せるようになって「今日は楽器やったよ」と言えるようになった時は、とてもうれしかったです。

それでも幼稚園で先生に「今日は、こんなことやあんなことをしてしまいました」と言われ、本人にも確認しますが、真顔で「知らない」と言うこともしょっちゅうでした。ふざけているのでもなく、反抗して答えないのでもなく、マジで覚えていないんです。

今では、大まかな出来事はかなり覚えていられるようになってきました。誰かに暴力をふるってしまって先生と話をしたら、それを覚えていられて、家で私にも自分から話ができるようになってきたのです。これは、大きな成長です。

覚えていられるようになって、ようやく自らの行動の振り返りができるようになります。

これをしたらいけない。こういう時は、どうすればよかったんだっけ。こうしましょうって約束したな。これはこうしたら上手くいく。

そういうこれまでの経験が蓄積できるようになると、問題行動も直っていきます。覚えていられないと、蓄積ができません。いつまでたっても、同じことをくり返してしまいます。

そして、より効果的にするために行っているのが、トークンシステムです。

トークンシステム、トークン制とは、わかりやすく言うと「がんばったらご褒美がもらえる」制度のことです。

→(「トークンシステムってなに?」)

4歳頃に始め、その頃は自分の腕を噛む自傷行動に悩まされていたので、まずは「噛まなかったら」シールが貼れる台紙を作り、4ヶ月ほどで自傷行動を直すことができました。

次は暴力を直したい!と、目標を「誰も叩かなかったら」シールが貼れるように変更しましたが、これができませんでした・・・

とくに家庭よりも刺激の多い幼稚園で、誰も叩かずに、何もひっくり返さずに、1日過ごすことができなかったのです。シールが貼れない日が続くと、ミッキーのモチベーションも下がってしまい、台紙もまっさらなまま・・・

通級の先生とも相談し、「それはまだ難しい」ということで、目標を「あいさつができたら」や「列に並べたら」などの、より取り組みやすいものに変更し、続けてきました。

さて、いよいよ小学校に入学し、幼稚園では教室になかなか入れなかったミッキーが、すんなりと馴染んで活動に参加できている様子を見て、これならできるんじゃないかと感じました。

いよいよトークンの目標を「誰も叩かなかったら」に変えます。

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バツから花丸まで評価があり、毎日の様子から本人とも話し合いつつ、丸をつけていっています。手を出したら、問答無用でバツです。誰も叩かずに学校から帰ってこれたら丸、家でも誰も叩かなかったら二重丸、さらにお手伝いなどのよいことができたら、花丸です。手は出さなかったけれど、暴れたり約束を破った日は三角です。

花丸の日は、おやつもデザートも、好きなものを食べられます。バツの日はテレビが見れず、早くに寝なければいけません。

今は支援級に在籍していることもあり、学校での様子を連絡帳で細かく教えて頂けます。とくに、暴れたり他の子に暴力をふるったことは、必ず伝えてほしいと頼んであります。

やってしまったことを学校で先生と話をして、さらに家庭でも同じように話をすることで、より定着させることができます。「それはやってはいけない。こうすればよかった」と、先生からも私からも同じ話を聞くことで、どこでも同じだとミッキーに強く伝わります。

ですが、ここで、話をするだけよりも、目に「バツ」と見せるほうが、ミッキーへ定着しやすいのです。これは、視覚優位、見えるものしか理解できないという、自閉症スペクトラムの特性によるものと思います。本当に、約束でも何でも、紙に書くとすんなり入るものが、耳からはどれだけ話をしても残らない・・・

見える形に残すようにして、徐々にバツが減って、丸を増やしていけるようになりました。カレンダー大好きなので、花丸にこだわってがんばっています。このまま、他害がゼロになってほしい。本当に、手を出さずに過ごせるようになったら、もっといろいろなことが楽しめるようになるのに。

それを、ミッキー本人にも、どうかわかってほしい。

他害への対応② 応用行動分析学

我が家の次男ミッキーは、言葉の遅れと多動があり、3歳から療育に通い、5歳で自閉症スペクトラムとADHDの診断がつきました。

今、小学校1年生で特別支援学級へ通っています。

ミッキーは、ものごころつく前からいたずらがひどく、とくに1~4歳頃までは本当に多動・衝動性が目立ちました。連日、何かを壊しているという人でした (T_T)

ですが、叱っても意味が通じず、叱るとよけいにやられるという悪循環でした。叱らずにすむように、いたずらができないように環境を整備して、事前に止めて、どうにか毎日をやりくりして暮らしていました。

→(「他害への対応① 叱らない」)

3歳から療育に通い、言葉が増え始め、ようやく3歳半頃に二語文が出て、この頃から会話が通じている実感がわき始めました。

それまでは、断片的にしか聞き取れていない(衝動性が強く聞き終わるまでじっとしていられない)、決まったパターンでしか認識していない感じがありましたが(場面や場所が変わると通じない)、新しい言葉を覚えよう、言われていることを理解したいという気持ちが、ぐっと出てきました。善悪の区別もややついてきたので、いけないことはいけないと言って聞かせられようになりました。

でもまあ、わかっちゃいるけどやめられないってやつで、そんなすぐに手が出ることが減ったわけではありません。どうやって社会のルールを教えていけばいいのか・・・

その頃に始めた対応が、「応用行動分析学」です。





「応用行動分析学」とは「ABA」とも呼ばれる行動療法のことです。とくに言語面で苦手さを抱えがちな自閉症スペクトラムの子への効果が高いとされる、療育の手法です。

過去記事にもまとめていますが、

→(「応用行動分析学ってなに?」)
→(「続 応用行動分析学」)

言葉をうまく理解してくれない、叱ってもまったく効果がない、叱るとよけいに問題行動が増える、叱りすぎるとチックや夜泣きなど別の問題行動が出てしまうような場合は、ぜひ応用行動分析学を試してみてください。

「応用行動分析学」とは、簡単にまとめると

①適切な行動を強化し
②問題行動を消去する


関わり方のことです。

例えば、次男ミッキーが3歳、三男ユウキが1歳の頃は、おもちゃでも何でも取り上げては押し倒す、ブロックをくずされては怒って叩く、などの弟いじめがひどく(ユウキもまだわからずいろいろやっちゃう月齢だし)、兄弟ともにケガが絶えませんでした。

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その頃にやっていたのが、「反省コーナー」です。
暴力をふるったら、すかさず「反省コーナー」のイスに座らせて、タイマーが鳴るまで遊べないルールでした。手を出したら、遊べない。手を出さなければ、仲良くできたら、遊べる。

これは非常に効果的で、とくに叱ってもなかなか意味が通じなかったミッキーに、「この場所に座らなければいけない」=「いけないことをした」とわかりやすかったようです。

ゼロにはなりませんが、兄弟ゲンカでの暴力は格段に減りました。
(当初は5分に1回だったのが、半年ほどで週に1回くらいに減った)

今でも「おもちゃの取り合い」はしょっちゅうです。「反省コーナー」のイスは小さくなってしまい、もう使っていませんが、今はおもちゃを無理やり取ったり投げたりすると(問題行動)、そのおもちゃは使えなくなります(没収)。手を出したら(問題行動)、自分の部屋に強制的に連行します(クールダウン)。

つまり、望ましくない行動(取る、叩くなど)をしてしまうと、遊べなくなります。これは次男ミッキーだけでなく、兄弟3人とも共通のルールです。

問題行動⇒消去

順番を守り(適切な行動)、手を出さなければ(適切な行動)、いつまでも楽しく遊ぶことができます。1日中一度も手を出さずにいれたら、デザートにアイスがもらえます(ご褒美)。

適切な行動⇒強化

暴力をふるっても何の罰則もなければ、取ることをやめません。だって、そのほうが簡単だし早いもん。ですが、その罰則がただ「ごめんね」と謝るだけでは、効果がありません。取ったら、叩いたら、遊べない。これを徹底させる必要があります。

さらに適切な行動ができた時は、きちんと褒め、ご褒美をあげることを忘れてはいけません。がんばっても認めてもらえなかったら、やはり問題行動は直りません。

「応用行動分析学」では、消去と強化を同時に適切な手法で行うことで、問題行動を減らし、適切な行動を増やしていきます。

言って聞かせるよりも、自分の行動の結果を、体感させてあげること。とくに言葉がまだ未熟だったり、気持ちの切り替えが苦手だったり、周囲に合わせるのが苦手な子には、できるだけわかりやすい形で示さなければ、残りません。

「暴れたら、みんなもあなたも嫌な思いをする」
「仲良くできたら、あなたもみんなも楽しく過ごせる」

⇒「みんなが楽しく過ごすには、どう振る舞わなければいけないのか」

普段から、これを意識させるような声掛けを心がけています。

問題行動には毅然とした対応を徹底して、適切な行動は大げさに褒めて、どのように振る舞えばいいのかを具体的に教えていかなければ、なかなか身につきません。

ただ、子供がルールを理解していない段階でこれをやると、がんじがらめでしんどくなります。ある程度の理解力がついて、わかっちゃいるけどやめられないという状況でお試しください。

また、ルールが多すぎるとそれもしんどいので、「たたかない」や「こわさない」など、1つか2つにしぼって、約束させましょう。そして、なぜそうしなければいけないのか。明確にわかりやすい説明をして、子供が納得してから運用してあげてください。

他害への対応① 叱らない

我が家の次男ミッキーは、言葉の遅れと多動で受診し、3歳から療育に通い、5歳で自閉症スペクトラムとADHDの診断がつきました。

ミッキーは衝動性が非常に強く、歩く前からいたずら大魔王でした。

おもちゃでは遊ばず、テレビも見ず、引出しのものを全部出すとか、棚から本を全部出すとか、お茶をこぼすとか、ご飯を投げるとか、とにかく手が届くもの全てをぶちまけることにしか、興味がありませんでした (T_T)

何度、「キャー」と悲鳴を上げたでしょう。
なぜこんなに、悪さばかりしつづけるのか・・・ (T_T)

ただ・・・今でもよく覚えているのですが、ミッキーが2歳頃、何度目かコップを投げてびしょびしょにされ、その日はそれ以外も壊したりぶちまけられていて、私も堪忍袋の緒がキレてしまい、喋れないのはわかっていたのに「ごめんなさいは!」と、一言でいいから反省してほしいと詰め寄った時に、ミッキーがオロオロしながら「2」と指を出したのです。

ハッとしました。

「(ごめん)なさいは?」=「なんさい?」
しか、聞き取れていない。

怒られているのに、年を聞かれていると思っている。

これは・・・叱っても意味がない。痛感した瞬間です。叱っても、この子には伝わっていない。困らせているだけだ。

それからは、いたずらができないように環境を整えることに全力をそそぐようにしました。そうすれば、いたずらされないし、されても大事にならずにすみます。

とくに1~3歳頃の小さな子を、叱ってしつけるのは意味がありません。

怒っている反応がおもしろいから、よけいやられます (T_T)
ずっと叱られていると、子供もイライラして、よけいやります (T_T)
やりたいことを制止されて、よけいにやります (T_T)

そういう場合の対処法は

①環境調整
②事前の声掛け
③とにかく褒める


①の「環境調整」とは、「問題行動が出ないよう環境を整える」こと。危ない場所には柵をつけ、ドアには鍵をつけ、引き出しには出されてもいいものしか入れず、テレビもパソコンもアクリル板で保護し、投げたら危ない積み木などは、全て片付けました。本棚の本を全部出して、棚板も外して、ビスを抜いて食べていたこともあったので、外せないように固定したり・・・いたちごっこですよ。もう本当に。

手が出そうな場面をよく観察し、手が出そうな要素は事前に排除しておく。手が出そうになったら、すかさず止める。そして「うわー、えらいねぇ。おもちゃとらなかったねぇ」とか、「ひっくり返さなかったねぇ」と、③褒める

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アホくさいですよ。だって、私が止めてるんですもん。
またすぐ、同じ悪さをしようとするんですもん。
褒めても、どれだけ通じているのかと、むなしかったですよ。

でも、そうするしかない時期というのが、確かにありました。
ある程度、言葉の理解が進まなければ、叱ることすらできません。

「遊びの終わり」とか「順番を守る」とか、荒れそうだな、できなさそうだなという事柄では、「あと3回で終わりだよ」「お友達の後ろに並ぼうね」と②少し前に声掛けをして、できたら③褒める。

とにかく、やっていいことを伝えるようにしました。こうすれば、いいんだよ。これだったら、やっていいんだよと。

やってほしい行動を伝えて、できたら褒める。できなかったら、次にどうすればできるかを考える。このくり返しでした。

でも、家はいいんですよ。対策できますからね。
一番大変なのは、実家に連れて行った時とか、児童館などの出先では、やりたい放題になってしまうのが、本当にきつかった。そういう時は、一挙手一投足を見守り、絶対に事前に止めなければなりません。

あと、私は別に子供の服が前後裏表逆でも、靴が左右逆でも、机の上に乗られても、まったく気にならないのですが(そんな事気にしてたら男の子3人は育てられません (^_^;))、お姑さんとか旦那さんが、細かいことを言うのが困りました。そんなの、2歳3歳児に言ったって・・・と感じるようなことを、しつけのためと言われるのがしんどかったですね。

とくにミッキーの2歳なんて。ケガをせず、物も壊さず一日いられたら大成功みたいな日々だったのに。療育手帳を取得して、ミッキーの現実をわかってくれるようになって、周りの人も理解してくれるようになりましたが、幼少期は確実に「私のしつけが悪い」と思われてたよな~と思います。まあ、今ではいい思い出です。

もちろん、勝手に触ってはいけないものは多いし、触り方が悪いと壊れてしまうものも、たくさんあります。最低限の社会的な礼儀とかマナーは、生きていく上で必要です。とくに他の子にケガをさせるとか、物を壊すことは絶対にいけないと、そこは一線を引いて一貫して伝え続ける必要があります。

「しつけ」はどんな子にも必要ですし、発達障害があったとしても、やはりそれなりのマナーやふるまいを教えていかなければ、将来的に困るのは子ども自身です。

ですが、これは保護者の方のために言いますが、叱ってしつけるのはおすすめしません。というか、ADHDの子供を叱ってしつけようと思ったら、本当に四六時中叱っていなければなりませんし、それでもほとんど効果がないのです。効果がないどころか、叱り続けている自分に嫌気もさすし、家の中がギスギスしてきて、環境的に大変よろしくありません。


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例えば「走っちゃダメ!」を「歩きます」のように、「指示、命令、禁止」をやめて、声かけを変換することを勧めています。これは、発達障害児だけでなく普通の子育てにもおすすめです。

片付けておくだけで、少し前に正しい行動を伝えてあげるだけで、もめ事が減って、叱らずに褒めて育てられるのなら、そのほうが親子ともに楽です。全部片付けるのは大変と思うかもしれませんが、始めにやっておくと壊されないし、ケガもしません。毎回壊されて片付けるより、断然楽です。事前の声掛けも、癖になってしまえば、他の子に手を出されて謝りに行くよりも、ずっとずっと楽です。

幼稚園での他害行動

幼稚園などに入園し、本格的に集団行動が始まると、これまで家庭で親と過ごしている中では見えなかった問題が、一気に出てくることがあります。

家庭などのパターンが決まった安心できる場所では大丈夫だったのに、場所やルールがちがう園では応用ができず、集団行動が取れないのです。

入園したてはどの子もそんなもんですが、半年~1年くらいで落ち着いていく子がほとんどの中で、いつまでも集団行動ができない、園のルールが守れない、人や物に手が出てしまう場合は、発達や情緒などに何かしら問題を抱えていることが多いようです。

我が家の次男ミッキーは、言葉の遅れで受診し3歳から療育に通っていたし、とにかく多動・衝動性が激しい人だったので、もちろん入園前に幼稚園や通級先と相談をし、園側でも対応を練ってくれていたはずですが、蓋を開けてみるとまあ、先生方の想像を絶する多動っぷりだったようで・・・(あれだけ大変ですよって言ったじゃん)

3、4歳頃になると「勝手に触ってはいけない」「暴力をふるわない」「順番を守る」などの社会的なルールは、最低限守れるようになっているという前提で、入園してきます。「暗黙の了解」ってやつですね。

ところが、自閉症スペクトラムなどの発達障害には、この「暗黙の了解」がわからないというやっかいな特性があります。当たり前のことが通じず、想定外のことをやられます。彼らと接していると、世界の認識の方法が異なっているとビシビシ肌で感じます。

「自閉」という言葉は、「自らに閉じこもる」と書きます。そうではない人もたくさんいますし、語弊はありますが、特性として「他者の世界を理解しにくい」傾向はどの人も持っていると思います。みんなとの共通認識が、得にくい、育ちにくい、そういう子たちです。

ミッキーは幼稚園に入る頃、お気に入りの物を触られるだけでキレてしまったり、近くに来られるだけでキレて手が出てしまっていました。他者を受け入れる余地が、ほぼありませんでした。

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彼にしたら侵入者が悪いのでしょうが、他の子にしたらなぜ怒るのかわからないのです。

目新しい物はとにかく触ってみないと気がすまない人なので、勝手に触る、叱られる、怒って投げる、そのうち先生の反応が面白くて、わざと物をひっくり返すようになりました。

刺激に過敏で、大きな音や触られるのが嫌で、騒がしい教室には、ほぼ入れませんでした。ようやく教室の隅っこでパズルができるようになっても、周りの子が悪気なく、後ろから「何してるの」とのぞき込んできたりすると、いきなり!見えないところから!触られて、恐怖のあまり押し倒して逃げたりしてしまいます。

やはり変化にとても過敏で、場所が変わった、誰かが教室に入ってきた、などのささいな変化にも反応して手が出てしまうことも多く、いつもとちがうことだらけの行事は・・・毎回かなりの修羅場でした。

とにかく、周りで止めるしかありません。が、間に合わないことも多々ありました。

しんどい時に逃げ込める場所(保健室)を決めたり、手が届くところには危ない物を置かないようにしてもらったり、大きな物は倒せないように固定してもらったりと、幼稚園と話し合っていろいろな対策を行いましたが、幼稚園時代は結局、他害は収まりませんでした。

小学校では自分が倒した物は自分で片付けないといけないと徹底されており、幼稚園時代は見過ごされてきた小さな暴力もきっちり先生が指導してくれるようになって、半年ほどで他害行動は激減しました。教科書や黒板など、見てわかる教材が増えたおかげで、いろいろなことが理解できるようになりました。

また、衝動性を改善する薬、ストラテラの服用が始まった影響も大きいかな。

→(「ん?ストラテラ効いてきた??」)


もしも、お子さんが入園して他の子や物によく手が出るようなら、まず保育者と相談してみてください。先生方は保育のプロで、これまでもたくさんの子を見てきています。「だんだん落ち着いていきそう」か「これは特別な対応が必要」か、およそわかると思います。

発達に問題がなくとも、下の子が生まれたとか、友達がなかなかできないなどで、気を引きたくて手が出ることもあります。まだ他者と関わり始めたばかりの子供は、どうすればいいのかわからず、口より先に手が出てしまうことはよくあります。

ベテランの先生が「今は荒れていますが、徐々に落ち着いていくと思いますので、様子を見ましょう」「まずはこちらで対応します」のように仰るのであれば、様子を見てもいいと思います。先生がまだ新任で明らかに頼りないような場合や、手が出ている状況そのものを教えてもらえないような場合は、管理職や主任など上の人に相談しましょう。

だいたい、入園直後は荒れるので園側も先生の人数を増やして備えますが、子供たちが慣れるに従って、徐々に通常運転になります。その時に人手が足りなくて手が出るようなら、加配は必要か、加配はお願いできるのか、手続き的なことも含めて、相談にのってもらいましょう。

たぶん、園でも、また手を出される他の子の保護者にとっても、加害児の親が無自覚ってのが一番迷惑だと思います。環境調整をお願いするにも、発達検査を受けるにも、療育に通わせるにも、服薬を検討するのも、加配を申請するにも、親からのアクションがなければ事態は動きません。

手が出てしまうことを認識し、どうすればやめさせられるのか、園と親が力を合わせて対処しなければ、やめさせられません。努力のあとが見えなければ、叩かれる子やその保護者にとっても、やりきれないと思います。

手が出やすい場所に物を置かない、クールダウンできるスペースを用意する、特定の子ともめがちなら教室や席を離してもらう、聞く力が弱いなら絵カードを使うなど、環境を整えることで他害を減らすことはできるはずです。やってしまった時は、子供を連れて謝罪に行く必要もあります。

どういう時に手が出てしまうのか、傾向と対策を先生方と相談し、園でできること、家庭でやることを明確にし、協力して一貫して対応していけば、必ず他害行動は減っていきます。すぐにやめさせるのは難しいですが、必ず減っていきます。がんばりましょう (*^^*)

1~3歳頃の他害行動

1~3歳頃までは、まだ言葉によるコミュニケーションが未熟なため、口より先に手が出てしまうことはよくあります。一般的には、言語が伸び気持ちを言葉で伝えられるようになってくると、収まっていきます。我慢する力、周囲を見る力などは、成長とともに備わっていくものなので、まだ小さい幼児期は「しかたない」「お互いさま」と社会的に大目に見てもらえる時期でもあります。

ですが、やはり幼児期から「おっとりしたおとなしい子」と「神経質で手が出やすい子」は分かれます。育て方のせいかしら・・・と悩みますが、子供の性格もあるし、感覚が過敏だったり、発達に凸凹があったりと、本人自身も困っている特性が関係している可能性もあるので、いたずらに厳しく躾ければ他害が直るとも限りません。

1~3歳頃、次男のミッキーはとにかくじっとしていられない多動・衝動性が目立ちました。興味があるものにすぐに手を伸ばすので、とにかく家中の危険なものを隠しましたが、それでも想定外のものを壊されるという日々でした。本人は触って見たいだけなんですが、力の加減ができないので倒して壊したり、落として壊したり、今思えば、体の使い方が下手だったせいもあると思います。

善悪の区別は・・・まったくついていませんでしたね。とにかく好奇心の塊で、気になるものに突進しては、すぐ次の気になるものが見えて(この間30秒くらい)、いわゆる「手当たりしだい」です。おもちゃでも遊べず(遊び方がわからず)、ひたすらおもちゃ箱から出す、投げるということをくり返していました。

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児童館などに連れて行っても、気になるものがあると突進してしまうので、他の子にぶつかったり、押し倒してしまったり、おもちゃを無理やり取ってしまったり、危なくて目が離せませんでした。またこの頃は、まだ言葉が出ず「キエー」「キャー」と奇声を発していたので・・・ちょっと遊び場的なところには行きにくかったですね。

療育に通いだして、ようやくおもちゃの遊び方がわかり、集中して遊べるようになって、言葉もぐんと伸びました。音や刺激に弱く、人混みが苦手なのだとわかり、人の少ない時間帯に利用するなど、連れて行く場所やタイミングを選ぶようにして、かなり楽になりました。

まだ外の刺激に触れ始めたばかりの幼児期は、他害行動も「反射」のようなものが多く、嫌な刺激に攻撃的になったり、気になる物が目に入った瞬間に取りに行ったり、周りの反応が面白くてやってしまったり、しがちです。

この時期は、いくら言い聞かせても子供が内容を理解できていないことも多いですが、根気よく「これをしたからこうなった」「これはこうこうだからいけない」と順を追って言い聞かせ続けるしかありません。言葉による表現力やコミュニケーション能力が上がってくると、落ち着いていく子も多いので、子供のペースに合わせて関わってあげればいいと思います。

子供本人は意味もわからずやっていることも多いので、親が備えるしかありません。

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近づくと、メガネをすぐに取られる時期もありました。取られた瞬間に投げて壊されるので、必死でよけていましたね。反射神経が、求められる子育てでした。

おもちゃを取りそうになったらすかさず止めて、「かして、だね」と手を添えて一緒に言わせる。手が出そうになったら抑えて、「どうしたの?」と気持ちや理由を聞いてあげる。危ないものは、片付けておく。飛び出さないように、道路や歩道では必ず手をつなぐなど、周囲が気をつけてあげなければなりません。嫌な音や人混みなど、他害を誘発するような刺激があれば、できるだけその刺激からは遠ざけてあげてください。

他害などの問題行動を修正するためには、スモールステップで関わりましょうと療育で言われました。子供がちょっとがんばればできそうなステップから始め、少しずつ階段を上らせていくのです。

始めは親が体で止めてでも、「手が出なかった経験」を積ませ、「代わりに口で伝える経験」を蓄積させていくしかありません。まずは家庭で、親と一緒におもちゃの貸し借りなどを練習してから、児童館などに行くといいと思います。

スモールステップは、子供ができそうなことから始めるのが大切です。いきなり、「友達と遊べるようになる」などの大きすぎる目標を立ててしまうと、できないからと親子で傷ついてしまいます。「かしてを言う」から始めて、できるようになったら、「今日はありがとうって言ってみようか」と、徐々にステップアップしていくのがコツです。また、一度にいくつもの約束をしても、子供は覚えられません。わかりやすく1つか2つに絞りましょう。

大暴れされて、二度と行きたくないほど辛くても、3度、5度と通ううちに場所や雰囲気に慣れて落ち着いていくこともあります。初めての場所が苦手、という特性をもつ子は多いです。始めはまったく伝わらなくても、「取ってはいけない」「たたいてはいけない」と何度もくり返し教えることで、子供の記憶に残っていきます。

疲れてくると手が出やすいので、子供の機嫌がよく他の子も少ない時間帯を選び、集中が続く短時間で切り上げ、少しずつ平和に遊べる時間を増やしていきましょう。室内でイライラしてきたなと感じたら、外に誘うなど、場所を変えれば気持ちが落ち着くこともあります。そういった適切な周囲のサポートで、幼児期の他害はかなり防げます。


「友達がほしいな」と児童館や公園に連れて行ったのに、あきらかに自分の子が攻撃的で周囲から浮いてしまったら、へこみますよね。そういう時は、無理して集団に入らなくていいと思います。

うちはその頃、児童館や支援センターの「発達がゆっくりな子向け」の集まりによく行っていました。保育士さんなど、支援の方が多めにいてくださったので、産まれたばかりの三男のオムツ替えや授乳にちょっと抜ける時にも、はちゃめちゃなミッキーを見ていただけて、本当に助かりました。

療育まで行かなくても、「発達がゆっくりな」と銘打ってある場所であれば、一般的な子供の遊び場よりも子供の数が少なめで、おもちゃも危ないものは出さない、保育士さんの見守りがある、多少気がかりな様子があっても大目に見てもらえるなど、親子で安心して通えます。最近は、そういった場所が増えてきているので、ぜひお近くでないか探してみてください。

そういった場所がなくても、無理に集団に入れて他の子に手を出されるよりは、誰もいない公園で遊ぶほうが、どれだけ心が平穏でいられるかと思います。あそこはこの子に合わないんだと割り切って、嫌な場所には行かなければいいと思います。もしかしたら、部屋の壁紙の色が怖かったとか、天井が低くて音が反響して嫌だったとか、親も気づかないようなことで、泣いているのかもしれません。

無理せず、子供が慣れていくのを待ってあげればいいと思います。意外と、数年後には「なんだったんだろう」と思うほど、落ち着いていたりもします。親が追い詰められれば、子供も追い詰めてしまいます。親子で楽に過ごせる方法を、探してください。
profile

筆者:nontan
男の子3人を育てています。
長男ゲンキ(2009年生)
こだわりの強いグレーゾーンBOY
+アトピー&卵アレルギー

次男ミッキー(2012年生)
ASD+ADHDのハイブリッドBOY
+ぜんそく&卵エビカニアレルギー

三男ユウキ(2015年生)
今のところ普通に見えるけれど…アレルギーなし

出産前は書店勤務&JPIC読書アドバイザーとして活動していました。子育てが一段落したら、読み聞かせ活動を再開したいです!
はじめての方は、こちらの記事をまずお読みください。

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