トークンシステム

他害への対応③ 振り返り

我が家の次男ミッキーは、言葉の遅れと多動があり、3歳から療育に通い、5歳で自閉症スペクトラムとADHDの診断がつきました。

今、小学校1年生で特別支援学級へ通っています。

ミッキーについて、一番困っているのが、やはり他害行動です。気に入らないことがあると暴れたり、人や物に当たってしまいます。物心ついた頃から他害をなくしたいと取り組み続け・・・今も頻度は減りましたが、なかなかゼロになりません。

それでも、以前は訳もわからずめちゃくちゃやっていたのが、最近はいけないとわかって自分で手を止めようとしたり、やってしまった後に「こうすればよかった」と反省する姿が見られるようになりました。

ここにくるまでが・・・長かった。

他害などの問題行動を修正する時に、この「振り返り」ができるかどうかは大きなポイントです。発達障害があるとワーキングメモリーと呼ばれる記憶が弱い子供が多く、また「線でつながっておらず点で存在している」と表現されるように、記憶の回路が私達と異なっているようで、何度言われても覚えていられず、物事を忘れてしまいます。

ミッキーも、「今日は何したの?」などの質問に答えられるようになってきたのは、ようやく幼稚園の年長の頃で、それまでは聞いても「???」という感じでポカンとしていました。だんだん楽しかったことや印象的なことを話せるようになって「今日は楽器やったよ」と言えるようになった時は、とてもうれしかったです。

それでも幼稚園で先生に「今日は、こんなことやあんなことをしてしまいました」と言われ、本人にも確認しますが、真顔で「知らない」と言うこともしょっちゅうでした。ふざけているのでもなく、反抗して答えないのでもなく、マジで覚えていないんです。

今では、大まかな出来事はかなり覚えていられるようになってきました。誰かに暴力をふるってしまって先生と話をしたら、それを覚えていられて、家で私にも自分から話ができるようになってきたのです。これは、大きな成長です。

覚えていられるようになって、ようやく自らの行動の振り返りができるようになります。

これをしたらいけない。こういう時は、どうすればよかったんだっけ。こうしましょうって約束したな。これはこうしたら上手くいく。

そういうこれまでの経験が蓄積できるようになると、問題行動も直っていきます。覚えていられないと、蓄積ができません。いつまでたっても、同じことをくり返してしまいます。

そして、より効果的にするために行っているのが、トークンシステムです。

トークンシステム、トークン制とは、わかりやすく言うと「がんばったらご褒美がもらえる」制度のことです。

→(「トークンシステムってなに?」)

4歳頃に始め、その頃は自分の腕を噛む自傷行動に悩まされていたので、まずは「噛まなかったら」シールが貼れる台紙を作り、4ヶ月ほどで自傷行動を直すことができました。

次は暴力を直したい!と、目標を「誰も叩かなかったら」シールが貼れるように変更しましたが、これができませんでした・・・

とくに家庭よりも刺激の多い幼稚園で、誰も叩かずに、何もひっくり返さずに、1日過ごすことができなかったのです。シールが貼れない日が続くと、ミッキーのモチベーションも下がってしまい、台紙もまっさらなまま・・・

通級の先生とも相談し、「それはまだ難しい」ということで、目標を「あいさつができたら」や「列に並べたら」などの、より取り組みやすいものに変更し、続けてきました。

さて、いよいよ小学校に入学し、幼稚園では教室になかなか入れなかったミッキーが、すんなりと馴染んで活動に参加できている様子を見て、これならできるんじゃないかと感じました。

いよいよトークンの目標を「誰も叩かなかったら」に変えます。

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バツから花丸まで評価があり、毎日の様子から本人とも話し合いつつ、丸をつけていっています。手を出したら、問答無用でバツです。誰も叩かずに学校から帰ってこれたら丸、家でも誰も叩かなかったら二重丸、さらにお手伝いなどのよいことができたら、花丸です。手は出さなかったけれど、暴れたり約束を破った日は三角です。

花丸の日は、おやつもデザートも、好きなものを食べられます。バツの日はテレビが見れず、早くに寝なければいけません。

今は支援級に在籍していることもあり、学校での様子を連絡帳で細かく教えて頂けます。とくに、暴れたり他の子に暴力をふるったことは、必ず伝えてほしいと頼んであります。

やってしまったことを学校で先生と話をして、さらに家庭でも同じように話をすることで、より定着させることができます。「それはやってはいけない。こうすればよかった」と、先生からも私からも同じ話を聞くことで、どこでも同じだとミッキーに強く伝わります。

ですが、ここで、話をするだけよりも、目に「バツ」と見せるほうが、ミッキーへ定着しやすいのです。これは、視覚優位、見えるものしか理解できないという、自閉症スペクトラムの特性によるものと思います。本当に、約束でも何でも、紙に書くとすんなり入るものが、耳からはどれだけ話をしても残らない・・・

見える形に残すようにして、徐々にバツが減って、丸を増やしていけるようになりました。カレンダー大好きなので、花丸にこだわってがんばっています。このまま、他害がゼロになってほしい。本当に、手を出さずに過ごせるようになったら、もっといろいろなことが楽しめるようになるのに。

それを、ミッキー本人にも、どうかわかってほしい。

トークンシステムってなに?

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応用行動分析学TEACCHプログラムと並んで、発達障害のある子供の療育でよく聞く「トークンシステム」とは、どんなものなのかをご紹介したいと思います。

トークンシステム」「トークン制」とは、簡単に言うと、「〇〇ができたら、ごほうびがあるよ」制度のことです。ごほうびはシールやスタンプ、ダイレクトにおもちゃやお菓子など、要するに物で釣って頑張らせる方法なので、いろいろなご意見があるかと思いますが、トイレトレーニングや歯磨きなどで、幼児期に誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか。

なぜこれが発達障害の子供に有効かと言うと、彼らは「善悪の区別」や「やっていいこと悪いことの区別」がつきにくく、「人の顔色を見て判断する」ことが苦手なため、普通なら幼児期に親に注意されるだけで「これはやっちゃいけないんだな」と何となくわかることが、大きくなってもなかなかわからないためです。

また応用もききにくいので、「お店の物を触りません」と言われてその場では守っても、別のお店に行くとまたやってしまったり、親の認識(お店=どこでも)と子供の認識(お店=ここだけ)にずれがあるため、いつまでたっても平和に過ごすことができません。

そこでこの「トークンシステム」で、「よいこと」の定義を明確にし、「それができたらごほうびがもらえる」ことで、モチベーションを持続することができます。シールやスタンプは目に見えるので、子供にもわかりやすく効果があります。とくにADHDの子供には、とても効果的だと感じます。叱る&褒めるだけでは、なかなか身に付かない場合が多いですが、トークンシステムを取り入れることで、やるべきことが具体的になって、子供も大人もメリハリのついた生活を送ることができます。

現在我が家では、次男ミッキーには「一日誰も叩かなかったら」シールがもらえるトークン表を。長男ゲンキには、「お手伝い一回10円」のお小遣い制を実施しています。

ミッキーのシール表には、所々にアイスクリームやおもちゃの絵が描いてあり、そこまでたどり着くとアイスやおもちゃがもらえるため、がんばっています。

ミッキーの家庭療育は応用行動分析学TEACCHの手法に、トークンシステムを取り入れて、完全に身に付いたら、次の約束事に移行し、問題行動を修正していくようにしています。この前までの約束は「自分も人も噛まない」でしたが、約4ヵ月かかって、自傷行動&噛みつき行為をやめることができました。暴力が収まったら、次は10分座れたら、かな~。

→(「応用行動分析学ってなに?」)(「TEACCHってなに?」)

ゲンキ
は、少し前まで「ガンプラ熱」がMaxだったので、プラモデルを買うお金を貯めるためにがんばっていましたが、今は「ホームズ熱」にかかってしまい、一日中読書をしています。まあ、旦那さんの子だから・・・しかたないんだけどさ・・・図書館で借りた無料の本で満足できるので・・・お手伝いはトーンダウンしています。

(日常的な会話に「無差別殺人事件」とか「密室殺人」とか物騒な単語が入ってきて、私的にはちょっと・・・勘弁してくれよって感じですけど) ( ;∀;)

でも今年の夏休みは、以前に比べて弟たちの面倒を見てくれるようになって、買い物など私一人では大変な場面で非常に助かっています。





子供の好きなシールやシートがあれば、よりモチベーションアップ!できます!キャラクターものは高いんですけどね・・・背に腹は代えられない・・・

profile

筆者:nontan
男の子3人を育てています。
長男ゲンキ(2009年生)
こだわりの強いグレーゾーンBOY
+アトピー&卵アレルギー

次男ミッキー(2012年生)
ASD+ADHDのハイブリッドBOY
+ぜんそく&卵エビカニアレルギー

三男ユウキ(2015年生)
今のところ普通に見えるけれど…アレルギーなし

出産前は書店勤務&JPIC読書アドバイザーとして活動していました。子育てが一段落したら、読み聞かせ活動を再開したいです!
はじめての方は、こちらの記事をまずお読みください。

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