問題行動

トークンシステムってなに?

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応用行動分析学TEACCHプログラムと並んで、発達障害のある子供の療育でよく聞く「トークンシステム」とは、どんなものなのかをご紹介したいと思います。

トークンシステム」「トークン制」とは、簡単に言うと、「〇〇ができたら、ごほうびがあるよ」制度のことです。ごほうびはシールやスタンプ、ダイレクトにおもちゃやお菓子など、要するに物で釣って頑張らせる方法なので、いろいろなご意見があるかと思いますが、トイレトレーニングや歯磨きなどで、幼児期に誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか。

なぜこれが発達障害の子供に有効かと言うと、彼らは「善悪の区別」や「やっていいこと悪いことの区別」がつきにくく、「人の顔色を見て判断する」ことが苦手なため、普通なら幼児期に親に注意されるだけで「これはやっちゃいけないんだな」と何となくわかることが、大きくなってもなかなかわからないためです。

また応用もききにくいので、「お店の物を触りません」と言われてその場では守っても、別のお店に行くとまたやってしまったり、親の認識(お店=どこでも)と子供の認識(お店=ここだけ)にずれがあるため、いつまでたっても平和に過ごすことができません。

そこでこの「トークンシステム」で、「よいこと」の定義を明確にし、「それができたらごほうびがもらえる」ことで、モチベーションを持続することができます。シールやスタンプは目に見えるので、子供にもわかりやすく効果があります。とくにADHDの子供には、とても効果的だと感じます。叱る&褒めるだけでは、なかなか身に付かない場合が多いですが、トークンシステムを取り入れることで、やるべきことが具体的になって、子供も大人もメリハリのついた生活を送ることができます。

現在我が家では、次男ミッキーには「一日誰も叩かなかったら」シールがもらえるトークン表を。長男ゲンキには、「お手伝い一回10円」のお小遣い制を実施しています。

ミッキーのシール表には、所々にアイスクリームやおもちゃの絵が描いてあり、そこまでたどり着くとアイスやおもちゃがもらえるため、がんばっています。

ミッキーの家庭療育は応用行動分析学TEACCHの手法に、トークンシステムを取り入れて、完全に身に付いたら、次の約束事に移行し、問題行動を修正していくようにしています。この前までの約束は「自分も人も噛まない」でしたが、約4ヵ月かかって、自傷行動&噛みつき行為をやめることができました。暴力が収まったら、次は10分座れたら、かな~。

→(「応用行動分析学ってなに?」)(「TEACCHってなに?」)

ゲンキ
は、少し前まで「ガンプラ熱」がMaxだったので、プラモデルを買うお金を貯めるためにがんばっていましたが、今は「ホームズ熱」にかかってしまい、一日中読書をしています。まあ、旦那さんの子だから・・・しかたないんだけどさ・・・図書館で借りた無料の本で満足できるので・・・お手伝いはトーンダウンしています。

(日常的な会話に「無差別殺人事件」とか「密室殺人」とか物騒な単語が入ってきて、私的にはちょっと・・・勘弁してくれよって感じですけど) ( ;∀;)

でも今年の夏休みは、以前に比べて弟たちの面倒を見てくれるようになって、買い物など私一人では大変な場面で非常に助かっています。





子供の好きなシールやシートがあれば、よりモチベーションアップ!できます!キャラクターものは高いんですけどね・・・背に腹は代えられない・・・

固有覚ってなに?

人間の感覚には、聴覚や視覚、触覚、嗅覚、味覚などがあります。その他に、あまり知られておらず自覚しにくい感覚に、固有覚前庭覚があります。発達障害のある子供は、この固有覚と前庭覚が未発達のことが多く、いろいろな困った行動につながっています。今回は、固有覚についてご紹介します。

前庭覚に興味のある方は、こちらもどうぞ。→(「前庭覚ってなに?」)

固有覚と、身体の位置や動きを感じる感覚です。

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筋肉や関節の動きから感じられる固有覚は、思い通りに身体を動かしたり、ボールを投げる強さを調整するための感覚です。固有覚がしっかりと働くことで、身体の動きや力加減をコントロールすることができます。

固有覚が未発達だと、走ったり跳んだりする時に身体がスムーズに動かず、動きがぎこちなかったり、動作が乱暴だったり、手先が不器用だったりします。また身体の位置をうまく認識できないので、姿勢が崩れやすい、前回りなどのダイナミックに身体を動かすことを怖がったりしがちです。

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長男ゲンキは、ここが弱いように感じます。

姿勢が異常に悪く、常に横向きや変な姿勢をとっています。「それ、気持ち悪くないの?」と私なんかは見ているだけで違和感をもちますが、本人は気づいてすらいません。注意しても、身体をまっすぐにできません。

お手本の動きを真似したり、頭の中でイメージした動きをやることも苦手で、ブランコはまだこげないし、跳び箱などで思いっきり跳ぶこともできません。「怖い」と気持ちの上のストップもあると思いますが、何をどうすればそんな風にできるのかがわからない・・・という感じです。くり返しくり返し動きを身体に叩き込んで、ようやくできるようになったと思っても、しばらく間が空くとまたできなくなってしまいがちです。鉄棒やブランコは、公園で見かけるたびに「やってみ」と促すようにしています。

固有覚を鍛えるには、ぶら下がったり押したり引いたり、身体の力を入れながら動くことをさせます。
綱引き、トランポリン、空中ブランコや鉄棒にぶら下がる、重たいものを持つ、ジャングルジムやはしごに上る、などがおすすめの動きです。ボールを思った通りの場所に投げたり、マット運動も固有覚を鍛えることができます。

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感覚統合訓練は、子供が楽しんでやれることが一番大切です。
訓練の内容が、難しすぎたり簡単すぎては楽しめません。また、強要してもいけません。子供がやりたいと思える内容を、うまく工夫してやらせましょう。楽しく遊んでいたら、できることが増えた!というのが理想です。

前庭覚ってなに?

発達障害の子供は、普段自覚しにくい前庭覚固有覚という感覚が未発達のことが多く、その発達の凸凹さが問題行動につながっています。

前回の記事では、固有覚について書きました。(「固有覚ってなに?」)今回は、前庭覚についてご紹介します。

前庭覚とは、平衡感覚とも呼ばれ、身体のバランスをとるための感覚です。

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私たちは立って歩くだけでも、無意識のうちに前庭覚を使ってバランスをとりながら生活しています。引力を感じて、空間の中での自分の身体の位置を知るための感覚が、前庭覚です。

身体の傾きや回転を感じる前庭覚が未発達だと、まっすぐに立ったり座ることが苦手で、姿勢が崩れやすかったり、座り続けることが困難で、すぐに立ち歩いてしまったりします。落ち着きなくつねに動き回ってしまう多動も、前庭覚が鈍いため、より強い刺激を求めてしまうせいです。

高いところやバランスの悪いところを異常に怖がったり(重力不安)、動いているものを目で追うことが苦手で、黒板に注視できなかったり、集中を持続できないなどの問題が出てきます。

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 次男ミッキーは、ここが弱いですね。
多動だし、高いところも揺れる遊具もとても怖がります。すべり台はOKなんですが、ハンモックやブランコは、感覚統合訓練を根気強く続けて、ようやく最近、すこし乗れるようになりました。

前庭覚を鍛えるには、すべり台やブランコ、平均台、スクーターや自転車などのスピードが出る乗り物、空中ブランコやタイヤブランコの回転などが、おすすめです。揺れるブランコにしがみつくことで、固有覚も一緒に刺激することができます。ブランコも上手に乗れるようになってきたら、押す速さを変えたり、突然止めたり、左右アンバランスに揺らしたりと、様々な不規則な動きを入れるといいそうです。

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授業中に椅子にきちんと座り、先生の話を聞いて、黒板の文字を読む。

これだけをこなすために、本当に様々な感覚が使われています。

じっと座っていられない、さされた文字を読めない、突然キレてしまうなど、子供の問題行動には必ず理由があります。前庭覚や固有覚、触覚などの感覚がアンバランスなせいでこれらの問題行動が起きているなら、感覚統合訓練が有効です。家庭でできる訓練も、たくさんあります。

やみくもに叱るのではなく、なぜできないのか、なぜこんなことをしてしまうのか、を一緒に考えて生きていけたらいいなと思います。

profile

筆者:nontan
男の子3人を育てています。
長男ゲンキ(2009年生)
こだわりの強いグレーゾーンBOY
+アトピー&卵アレルギー

次男ミッキー(2012年生)
ASD+ADHDのハイブリッドBOY
+ぜんそく&卵エビカニアレルギー

三男ユウキ(2015年生)
今のところ普通に見えるけれど…アレルギーなし

出産前は書店勤務&JPIC読書アドバイザーとして活動していました。子育てが一段落したら、読み聞かせ活動を再開したいです!
はじめての方は、こちらの記事をまずお読みください。

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