発達障害のある子供

発達障害の子供が増えている原因

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発達障害の子供は、増えていると言われています。
発達障害で「通級指導」を受けている子供は9万人以上おり、この20年で約7倍になったというデータもあります。

その原因ははっきりしていませんが、一つは、社会が排他的になり、以前は障害ではなく個性としてとらえられていた子供たちが、生きにくさを抱えているため。

また、発達障害という言葉が一般に知られてきたおかげで、親や保育者が子供の気になる様子に気づきやすくなり、診断がつきやすくなったためと言われています。

でも、私はそれだけではなく、生活様式の変化も大きいのではないかと感じます。それは感覚統合訓練を受けることで飛躍的に伸びたミッキーを見ていて、療育を受けなかったらどうなっていたかと思うせいです。

→(「感覚統合ってなに?」)

最近の子供は体幹が弱いとよく言われます。それは外で遊ぶことが減った、ボール遊びをしなくなった、便利な機器が多く発明され、生活のための動きが減ったことなど、生活習慣の変化が大きな原因です。

ゲームが出てきて、子供が外で遊ばなくなった。本を読まなくなった。友達と遊ばなくなった。さらには自由に遊べる公園が減った、少子化で近所に子供がいない、子供を狙った犯罪などの安全上の問題など、数え上げればきりがないくらい、子供をめぐる環境は時代とともに変化しています。

幼稚園でも、「最近の子は蛇口のひねり方から教えないと、水も出せません。自動水栓のお家が増えてきて、水道の前で手を出して待っている子も多いんです」なんて、笑えない話を聞きます。昔は、日常的に様々な動作をしなければ、生きていけませんでした。トイレだって、洋式よりも和式のほうが足腰を使いますもんね。掃除でも、ほうきの使い方や雑巾の絞り方など、以前は家庭で身についていたことが、意識的に教えなければできない子供達が増えたのです。

地域や大家族で育った昔は、社会性が今よりも発達しやすかったはずです。例えば、食事中の会話でも、母子で一対一でしか喋ったことがない子供は、人の会話を聞く、自分の会話の番まで待つ、多くの会話の中から必要な声を聞き取るなど、双方向性のある会話のスキルが身につきにくいです。

一概に昔がよかったとは、言えませんよ。
昔は学校に行けない子供も多かったし、家の手伝いで遊ぶ暇もなかったかもしれないし、医療の進化のおかげで、お産でも病気でも死ぬ子供は劇的に減りました。

それでも児童精神科医の佐々木正美先生も著書で書いているように、子供の遊びや生活をめぐる環境は、時代とともに悪化していると言わざるとえないと思います。子供同士で生き生きと遊べない、そんな子供が大人になったら、やはり精神症を発症しやすくなると書かれています。遊びが減ったこと。生活が様変わりしたこと。これが、発達障害の子供が増えている一番大きな原因ではないかと思います。

私も子供の頃の思い出と言ったらとにかく、いたずらも含めて、友達と毎日暗くなるまで遊び歩いたことばかりです。ブランコも砂場もジャングルジムも木登りも、やりたい放題でした。怪我もたくさんしたけれど、友達と山のように遊んだ記憶が、今の自分の核にあります。

今の子供たちは、もうそんな遊び方ができなくなっています。

虐待やいじめ、不登校やひきこもり、子供をめぐる問題は複雑化深刻化し、どこかで抜本的に改革しなければいけないはずなのに、もう無理かもしれないとも、どこかで思います。

社会が病んでいる。
子育てをしていて、一度も感じない親はいないのではないでしょうか?

電車の中で子供が泣いたら・・・病院で子供が泣いたら・・・お店で子供がぐずったら・・・そんなシーンは子育てをしていれば日常的にありますが、その親子に対する冷たい視線や心無い対応は、増えているのが現実です。発達障害のある子供には、その数十倍の圧力がかかります。大人がそうなのですから、子供社会でも同じです。違う人、違う存在に対する排外的な感情が、社会にあふれかえっています。

次男ミッキーも些細なことで泣いたり暴れたりするので、公園ではすでに「違う子」認定されて、仲間に入れてもらえません。私も一緒に遊ぶことで、かろうじてその場にはいれますが、たぶんミッキーは楽しくないでしょうね。でも、なんとか、友達と遊ぶ楽しさを教えてあげたい。友達と群れて遊ぶ中から学ぶたくさんのことを、ミッキーにもどうか味わってほしい。切に願います。

発達障害の子供たちは、社会性が育ちにくい特性の上に、友達と関わる機会そのものが少ないため、伸ばすことができないというダブルの壁が立ちはだかります。本当なら発達障害がある子供こそ、友達とたくさん遊ぶ経験をさせなければいけないのだと思います。

さらには、眼の動きや身体の使い方、バランス感覚といった、学力や社会性に一見関係のなさそうな部分が、実はとても大きく生活全般に関わっていて、そこが弱い子供は遊び中心の子供社会でやっていけない=社会性が育たないのだと思います。私も療育先で教えてもらうまで、身体の発達と心の発達がそこまで密接に結びついているという意識がありませんでした。

昔は、グレーゾーンの子も友達と外で走り回って遊ぶうちに、体幹や眼の動き、身体の動き全般がバランスよく伸びていき、そのうちそれ以外も凹凸が気にならなくなるくらい周りに追いつくのに対して、今では、ついていけない子はいつまでもついていけずに差は広がるばかりで、ついに「障害」と認定されてしまうような、そんな気がします。

過敏だったり鈍かったり、どうしても他の子と感覚が違う子は昔からいたと思います。社会性や言葉が伸びにくい、身に付きにくい子の割合は、実はあまり変わらないのではないでしょうか。漫画家の水木しげるも4歳まで話せずに、知恵遅れだと思われていたと自伝で書いています。それでもそんな彼の個性を周囲は受け入れ、「ゲゲゲの鬼太郎」などの名作を生み出すことができました。

最近は逆に、自閉症やADHDなど、発達障害のことが広く知られてきたからこそ、小さい頃から特徴的な行動をしていないか、親も保育者も必死に確認してしまっているようにも感じます。ブログを書いていても、「言葉の遅れ」や「自閉症特徴」などのキーワードで検索して来られる方は多いし、きっと必死で子供のことを理解しよう、どうにかしてあげたいという気持ちからなのだと思います。
自閉症スペクトラムやADHD、LDなど、子供によって個性は千差万別ですが、共通する特性に対して正しい接し方を心がけることで、子供も周囲の大人もぐっと生きやすくなるのですから、専門的な療育やペアレントトレーニングを受けることは大切だと思います。なぜ他の子と同じようにできないのかを、叱って育てるのではなくて、理解して寄りそって育ててあげることで、その子の人生は豊かで幸せなものになるはずです。

でも本当なら、発達障害があろうとなかろうと、子供の個性は一人一人違うものだし、違っていいはずです。その違いを認められない方向に、社会が向いているような気がしてなりません。そんな現代の社会で自分らしく生きていくためには、「障害」という看板を背負わなくてはいけないのかと思ってしまいます。とくにグレーゾーンの子供たちは。

そして、これからもっと、発達障害と言われる子供は増えていくと思います。
スマートフォンが出始めて、そう感じます。

スマホの害は、私はとても大きいと思う。長男ゲンキを育てていた頃には、スマホはまだ一部の人しか使っていなかったのに、今ではみんなが持っています。お母さんもお父さんも、空き時間はずっとスマホをいじっています。みんながみんなそうではないけれど、そういう親が増えているのは事実です。便利だし、つい見てしまうんですよ。気持ちは、よくわかります。
LINEやSNSで、ママ友同士の結びつきは強くなったかもしれないし、集まって子供を遊ばせやすくなったかもしれませんが、子供がぐずったらすぐにスマホのゲームをやらせて、自分たちはおしゃべりに夢中で、子供の要求には気づきません。

そうして育った子供は、どんな子になるのだろうかと思います。

もっと幼少時に適切に関わっていれば、何とか育ったかもしれない子供たちが、これからどんどんグレーゾーンで診断を取りにくるのではないかと危惧します。そうしてそのうち、定型発達児と発達障害児の割合が逆転したりしてね。それはそれで、面白いかもしれません。私たちの当たり前が、根底から覆る日が来るのかもしれません。それはきっと、子供たちからの「逆襲」なのでしょう。



精神科医の佐々木正美先生の、おすすめ著書。子供を育てるすべての人へ、読んでほしい1冊です。

みんながわかりやすい授業

我が家には、3人の男の子がいます。

長男ゲンキは、小学4年生。
次男ミッキーは、小学1年生。
三男ユウキは、幼稚園の年少です。

先日、新学期、初めての授業参観に行ってきました。
これまでいろいろな先生も、いろいろな授業も見てきましたが、授業がうまい先生は、親の目から見てもすぐにわかりますね。とくに我が家は、長男ゲンキもこだわりが強いグレーゾーン BOY、次男ミッキーは自閉症スペクトラムとADHDのあるハイブリッド BOY なので、どうしても、配慮が必要な子にもわかりやすい授業、という観点で見てしまいます。

大人しくて物分りのいい子は、どんな授業でも大丈夫なんですよ。っていうか言ってしまえば、先生いなくても教科書読むだけで、わかるんですよ。

でも集中が続きにくかったり、抽象的な概念が理解しにくかったり、耳で聞くよりも目で見るほうが得意だったりと、当たり前の授業では取りこぼしてしまう子供たちも、教室にはいます。
合理的配慮が教育現場に義務付けられたように、そういった子供たちに、どれだけ工夫してあげられるかが、今は求められているのではないでしょうか。

そして、実際に見比べてみるとよくわかりますが、工夫された授業は、他の子供たちにとっても、わかりやすく面白く、身になる授業なのです。

例えば、

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口頭でペラペラと言うだけでは、とくに低学年では、サッと動けない子はたくさんいます。覚えきれなかったり、聞き逃していたり。一つ忘れていたら進んだ時にわからなくなり、結局前に戻ってやり直して、とても時間がかかります。
でもそこで実物を見せながら説明してあげれば、動ける子は増えます。そしてそういう先生のクラスは、明らかにまとまりがよく、進行も早く、つまり、わかりやすいのです。

どんな指示でも、あえて2回言うようにしているという先生もいました。1回目で「あ、何か言ってるな」と気持ちをむけさせて、2回目でしっかり聞かせるそうです。
これも、「1回でちゃんと聞きなさい!」と叱る先生のクラスより、ずっと子供たちの動きがいいです。1回で聞ける子にしたら、煩わしいかもしれません。でも、遅れる子に引っ張られて授業が停滞するより、一言増やすだけでサクサク進むなら、その方がいいと私は思います。

他にも、目で見てわかりやすいようにプリントや掲示物を工夫する、集中が切れてきたら体操などで息抜きをさせる、などが代表的かな。特別支援がいる子も、みんなで一緒に過ごせるように工夫をして映画になった「大空小学校」の例もあります。





どれもそんなに、難しいことではないはずです。
先生が少しだけ動きを増やせば、子供たちの動きが俄然よくなるのです。どうか、面倒くさがらずに、やってあげてほしいなぁと思います。それが、「みんながわかりやすい授業」、につながっているはず。

応用行動分析学 続編

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前回の記事で、応用行動分析学(ABA)についてご紹介しました。
(「応用行動分析学ってなに?」)

発達障害のある子供の、問題行動を減らすための療育として、効果が高いとされている応用行動分析学。もうちょっと詳しく、具体的な内容を説明してみたいと思います。
詳しく知りたい人は、こちらの記事もわかりやすくおすすめです。
https://h-navi.jp/column/article/632

自閉症スペクトラムなど、発達障害のある子供に限らず、小さな子供は誰しもわがままを言ったり、欲しいものがあるとひっくり返って泣いたりしてしまいますが、年齢が上がるとともに徐々に分別がつき、親が困る行動は減っていきます。BUT・・・発達障害のある子供は、分別や我慢する力がなかなか育たないんですね。大きい身体でひっくり返って泣かれると(しかも泣き止めない)、周りからの目線も辛いものがあります。

応用行動分析学とは、この問題行動の原因を分析し、適切に関わることで(前回の記事で紹介した強化消去です)、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らしていく理論のことです。

子供の問題行動の原因には、主に4つあります。

①欲しいものがある

問題行動の代表的な原因、「要求」です。おもちゃ、お菓子、それ以外にもいろいろな欲しいものを手に入れるための手段として、暴力や癇癪を起こしてしまう子供が多いです。大人が根負けして買ってあげるまで、泣きわめきます。この場合は、どれだけ暴れても、どれだけ泣いても、欲しいものは手に入らないとわからせる必要があります。その上で、「貸して」や「ちょうだい」と言えたらもらえる、泣かずに我慢できたらもらえるなど、正しい行動を教え、徹底させます。

②嫌なことから逃げる

発達障害のある子供は、触られるのを異常に嫌がったり、人ごみのざわざわする音を嫌がったりと、感覚が過敏なことがよくあります。普通の子は気にもしない接触が我慢できず、友達を叩いたり噛むことで、嫌なことから逃げようとしてしまいます。この「回避」が原因の場合は、極力嫌な刺激を排除することから始めましょう。(環境整備と言います)「噛んではいけない!」と叱るだけでは、なかなか止みません。嫌な刺激も我慢するよう強制し続けると、チックや自傷行動など他の問題行動を誘発してしまいます。

嫌がることはしない、嫌な場所には連れていかない、この子はこういう刺激に弱いと、周囲にも伝えてみましょう。「嫌な時は、ここに逃げたらいいんだよ」と、逃げ場所を教えてあげることも有効です。同時に感覚統合などの訓練で、感覚過敏を和らげていくのもおすすめです。

③注目を集めたい

この「注目要求」も、原因として非常に多いです。我が家でも次男ミッキーは、かまってほしいがために、ありとあらゆる大人の嫌がることをします。叱られることが、おもしろいんですね。この場合は叱っても逆効果なので、一番いいのは無視することです。でも、なかなかそうも言っていられません。子供も賢いので、どうすれば親が怒るかよく知った上でやるので、ついキレてしまいます。

今うちでやっているのが、かまってもらうための別の手段を教える(肩をトントンしてくれたらママうれしいわ~とか「あそぼ」って言おうねとか)ことと、できるだけかまってあげることです。一対一でたっぷりかまってもらえて満たされていると、悪さはしないんですよ。暴れたり叫んだら遊んでもらえない→相手も喜ぶことをしたら遊んでもらえると、どうか理解してほしい。

④そうすることが気持ちいい

自閉症スペクトラムの子に多い常同行動が代表ですが、手をひらひらさせたり頭を壁にぶつけることで、足りない刺激を得ようとする、感覚の過敏さや鈍麻さが原因の「自動強化」の場合は、やめさせるのがけっこう難しいです。小さな男の子がおちんちんをいじるのも、同じです。

気持ちいい、楽しいことは、なかなかやめられません。根気強く対応することが求められます。どんな刺激が欲しくてやっているのかを見極め、代替物を用意する(ぴょんぴょんするならトランポリンを跳ばせる)(鉛筆を噛む代わりにねり消しをにぎにぎさせる)ことが、おすすめです。無理にやめさせても、違う形で悪癖が続くだけのことが多いので、気をつけましょう。我が家でも、噛み癖が直らない長男ゲンキのために、ガムやにぎにぎグッズを用意しています。


ストレスや強い感情が原因のチックや自傷行動、パニックに関しては、禁止するのではなく、できるだけ起こさせないことが大切になってきます。問題行動というよりは、限界を超えてしまった子供が自分を守るためにやっている行動なので、そこまでいかないように、守ってあげてほしいと思います。見ているだけで、親もつらいですしね。子供にも、相当な負担がかかっているはずです。

また自閉症スペクトラムの子供たちは、自由時間に何をしていいのかがわからず、不安になったり問題行動を起こしてしまうことも多いです。暇な時間を持て余さないよう、やることを具体的に指示する、いくつかの選択肢からやりたいことを選ばせる(散歩 or テレビ or 絵本など)、待ち時間を具体的に教える(タイマーや時計)などの対応で、「静かにしていると思っていたら、とんでもないいたずらをしていた」悲劇を防ぐことができます。(←これ、我が家でも頻発)

とにかく、毎日めちゃくちゃなことばかりされてもう限界!と困っている方へ、少しでも参考になればと思います。

profile

筆者:nontan
男の子3人を育てています。
長男ゲンキ(2009年生)
こだわりの強いグレーゾーンBOY
+アトピー&卵アレルギー

次男ミッキー(2012年生)
ASD+ADHDのハイブリッドBOY
+ぜんそく&卵エビカニアレルギー

三男ユウキ(2015年生)
今のところ普通に見えるけれど…アレルギーなし

出産前は書店勤務&JPIC読書アドバイザーとして活動していました。子育てが一段落したら、読み聞かせ活動を再開したいです!
はじめての方は、こちらの記事をまずお読みください。

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